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2022-04-06

文明通信2022年4月号

「販売と消費の好循環」

「新しい生活様式」ならぬ「新しい営業方式」として当店では「コーヒー豆の販売」と「ドリップバッグの販売」を始めました。本当におかげ様で当店はコロナ禍においても平常営業(イートイン)での売上や客数はそもそも減っていないわけでして、これが耐久消費財の商品であれば、在庫スペースを確保さえすれば(それはそれで難しいものですが)躍起になって売ろうとは思わなかったかもしれませんが、いかんせん飲食物の販売となると賞味期限内での販売というスリリングな部分が加わってくるためなるべく早く売り切りたいという思いがありました。ドリップバッグの賞味期限はどれくらいかといいますと、原則として「窒素ガス充填」が成されていることで、酸化速度をかなり遅くさせることが出来るためどこの商品も概ね賞味期限は充填後から1年としてあるところが多いです。しかし、賞味期限が1年とはいえ1年近く経ったものが全く酸化していないわけがなく劣化は避けられないし、せめて半年で売り切れたら嬉しいなぁ、ビジネスとしてのウマ味はそんなに無いけれどこの度の原料高騰で下がった利幅へのささやかな補填のためにもやるべきかなぁ、大手チェーン店とは異なり個人店が扱う量としてはラベル印刷やパッケージ梱包は最小ロットとはいえ膨大な量だから全て売り切るまでに1年近くかかるのではあればもう今回だけでおしまいにしよう、なんにせよやはり半年以内で売り切りたいなぁ・・・というようなことを悶々と考えておりました。
そんなドリップバッグ販売の結果ですが、2月から販売開始して1年や半年どころかなんとわずか40日の営業で完売したのです。お得な5個パックというのはありますがオープニングキャンペーンや値引きは一切していないのにも関わらずに、です。
購入してくださる人のおかげで更なる増産商品をフレッシュな状態でまた販売出来て、それを飲んだ人が「美味しかった」と言ってまたリピートしてくださるという好循環が起こっています。思えば店内のコーヒー豆にしても古くなった豆を断腸の思いで廃棄するといったこともなくいつも完パケし常に新しい豆を仕入れられているという状態が創業以来15年間ずっと続いています。
こうした消費の好循環はひとえに支持してくださるお客様のおかげ以外の何物でもありません。本当にありがとうございます。
さて、ここまでは「消費の好循環」という非常にポジティブな内容であったのですが、裏面では一転して「原材料費の価格高騰によるコーヒーミルクの内容変更」というネガティブな話をしてしまうことをお許しください・・・(裏面へGO)

珈琲文明 赤澤珈琲研究所 代表 赤澤 智

~コーヒーミルクの内容変更についてのお知らせ~

既に報道等でご存じの方も多いかと思いますが、昨今の原材料費の高騰に加え、運送費や保管費、製造委託費や包装資材等、製造に関わるほぼ全てのコストが軒並み値上げとなり、それは乳製品も例外ではなく、これまで当店のコーヒーミルクは植物性由来ではない100%牛乳由来のものだけを使用してきましたが、統計上当店ご利用の8割強のお客様がコーヒーにミルクを使用せずブラックでお飲みいただいているという現状も踏まえた上で、大変心苦しい限りではございますが、今月(中旬頃)よりコーヒーミルクの内容を変更させていただきます。私自身、30歳くらいまではコーヒーにミルクも砂糖も入れて飲んでおり、「コーヒーはミルクと一体となってなんぼだろ」という気持ちもよくわかります故コーヒーミルク愛好家の皆様には非常に申し訳なく思っております。今後のコーヒーミルクは完全なる植物性(いわゆるポーションミルクというもの)というわけでもなく、動物性(牛乳由来)と植物性のブレンドという内容となります。何卒宜しくお願い致します。

★NEWシングルオリジンコーヒー
「パプアニューギニア(AAシグリ)」

完熟豆のみを手摘みし天日乾燥させ上品で華やかな香りとコクのバランスが素晴らしいコーヒー。中深煎り。
1930年代にヨーロッパの宣教師によりジャマイカのブルーマウンテンの苗木が持ち込まれたことがきっかけとなっていることもあり「アジアのブルマン」などとも呼ばれていますが、もはや味の面ではブルーマウンテンを凌いでいると思っています(個人の感想です)。
西部高地地方ワギ・バレーに1950年代末に開発された大農園であるシグリは「一日で一年の気候を繰り返す」と言われ、気象の変化などコーヒーの生育には理想的な環境下で生まれたコーヒー界の新人エリートと言えるでしょう。

★時節のケーキ二種!!※4月中旬よりスタート

「いちごとブルーベリーのケーキ」
「桃とりんごのケーキ」

★今月の弾き語り(Vol.178)
4/22(金)毎月恒例第四金曜弾き語り※今月は金曜が5週あるのでご注意ください。
開場 午後6時半 開演 午後8時(ラストオーダー7時45分)。入場無料。
※6時~6時半の間はお店がいったん閉まっております。

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