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2018-12-05

文明通信2018年12月号

文明通信2018年12月号表
文明通信2018年12月号裏

「As Time Goes By」

「酒場放浪記」ロケによる吉田類さんの来店から始まった2018年。元全日本女子プロレスチャンピオンの豊田真奈美さんが来たのも、コアラモードさんが来てYOUテレビ「とっておき@神奈川区」が一か月毎日(計60回)放送されたのも、男性アイドルグループDISH//主演のドラマで当店が舞台になったのも、マンガ「東京喰種」の実写映画の舞台になりかけてボツになった(笑)のも、コーヒー講座やカフェ開業講座、そして小山薫堂さんの番組「FM横浜フューチャースケープ」生出演のためこちらから出向いた仕事も、
冬季五輪もワールドカップも、全て今年の出来事なのだと思うと不思議な感覚になります。歳を重ねるにつれ、月日があっという間に過ぎるスピードを日々感じるのは確かなのですが、一年を振り返ってみてしっかりと中身は濃くいろいろあったなぁと感じることが出来るのは幸せなことです。こうした外からも目立つ出来事もそうなのですが、いっぽうであまり目立つことではないながらも長年お店をやってきた醍醐味のような出来事が増えてきています。それは例えば元神大の学生のお客さんだった人が就職したことにより遠くに行き、学園祭訪問のついでに来店してくれたり、あるいは何のついででもなく本当にただ珈琲文明に来るという目的で来ていただけたりするなどこちらも感無量になる出来事が増えてきました。先日も学生時代によく来てくれていて現在は長野で警察官をしている人がわざわざお土産まで持ってきてくれました。また、去年のこの文明通信9月号でも触れました当時「史上最年少(9歳)のお客さん」が今や私の大学の後輩でしかも軽音楽部というところまで一緒で、池袋の街の話で盛り上がったりすることが出来るのは本当に楽しく嬉しいものです。他にも昔からとても感じの良い大好きな若いご夫婦に子供が生まれ、そのご夫婦がお子さんと共に来店してくれたり・・・。こればっかりは絶対的に時間の経過を要する事柄であり、11年の営業と共にいつの間にかいくつものストーリーが紡がれてきたことに驚いております。それは先に述べたような外からもわかりやすい出来事とは異なり、地味なれど時間をかけて織りなすドキュメントなので、その喜びや感動もじわじわと時間をかけて体内に染み込んでくるタイプの幸せといえます。これからもこの幸福なる長編ドキュメントが続いていけるようにこのお店を健やかに運営していこうと思います。今年も大変お世話になりました。また来年も珈琲文明をよろしくお願いします。

珈琲文明 店主 赤澤 智

今月の逸品(一品)「コスタリカ・シンリミテス・ビジャサルチ・レッドハニー」

「レッドハニー」、、、なんだか戦隊モノで一番強いのがとうとう女性ヒロインになったような名前。しかも「シン、リミテス」とはリミットがない、つまり「無限∞」という意味の農園地区。強そうだし美しそうなこのコーヒー、でも「レッドハニー」って何?
コーヒーの精製方法には大きく「ナチュラル(天日干し)」と「ウォッシュト(水洗式)」の二つがあります。ナチュラルは完熟フルーツのような甘さや木の実のような土着的な味、ウォッシュトは柑橘系フルーツのようなスッキリとクリーンな味わい、という特徴がありますが、今回紹介するのはこの二つをいいとこどりしたような製法「パルプトナチュラル(ハニー製法)」についてです。
皆さんの身の回りにはあまりコーヒーの実(コーヒーチェリー)はありませんから、
さくらんぼ(チェリー)や柿や梅干しを少しイメージしてみてください。
果肉と種を分けた時、種のまわりは少し「ヌルッ」っとしてますよね?
この「ヌルッ」っていう部分(【ミューシレージ】と言います)をウォッシュトの場合はもろとも洗い流してしまうのですが、このヌルッっとした部分は残して果肉は取り除き乾燥させる方法をパルプトナチュラルといい、ヌメヌメベタベタ(こう書くとなんだか品がないですが、、、)が蜂蜜みたいだししかもそれ自体に甘さを持つゆえ「ハニー製法」とも呼ばれます。さらにこの「ミューシレージ」の残存率と糖度の高さ順にイエロー、レッド、ブラックと呼び名が変わっていきます。
そんな「無限大∞の戦隊ヒロインの味」(笑)「コスタリカ・シンリミテス・ビジャサルチ・レッドハニー」をぜひご賞味ください。

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