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2023-07-06

文明通信2023年7月号

「店内に潜むHERO」

出処が何だったかは覚えていないのですが、確か飲食店のクチコミサイトに対し批判的な立場で「良い店というのはクチコミなんかじゃなく客が店を育て、店が客を育てていくものだ」といったフレーズを目にしたことがあり今でもそれが離れないでいます。
飲食店に限らず一般企業にせよ、学校にせよ、いわゆる社風、校風、のようなものがあります。もっと大きな話で言えば国家ごとの文化などもそうですが、長い年月と共に備わっていた文化や空気感、哲学のようなものが各界に存在します。
16年前の今頃、私にとっては生まれも育ちも無縁で友人知人も誰も近くにいない横浜の地でひっそり(「サイレントプレオープン」という手法で文字通りひっそりと)オープンしたコーヒー店は、以来本当に多くの方々に支えられ育てられてきたのがわかります。
基本スタンスとしてはお客様に話しかけない、ほったらかしにするのを旨としていることもあり、お名前や素性はわからず、それでいて紛れもなく常連さんという人がこの店には非常に多く、私は常々このようなお客様を「サイレントロイヤルカスタマー(以下SRC)」と呼んで強烈に尊(たっと)んでいます。
こうしたSRCは外国人の方も含んでおり、先日も1人の外国人SRC(「コーヒーにミルクは付けますか?」の問いに「大丈夫です」と返答するほどに(笑)日本語がペラペラの人)がいらっしゃるのですが、とある店内混雑の日に外国人の団体が入店してきたので私が良く言うセリフ「只今店内混雑しているのでお出しするまでに相当お時間かかりますが大丈夫でしょうか?」と言うも全員が全く日本語が通じない超ネイティブの方々だったので上記セリフをどうにかして英語にしようと思うも前職(学習塾)の癖からガチガチに堅苦しい英作文、例えば「店内の混雑具合があなた達の居心地よいひと時を妨げる可能性があるのとコーヒーを待つのに十分な時間を持てない場合はお勧めしませんがよいでしょうか?」みたいな日本語の英訳(笑)になりそうなところ既に店内にいらしたこの外国人SRCがスッと立ち上がりツカツカとその外国人団体客の元にやってきてスマートな英語を話してくれて無事切り抜けることが出来たことがありました。
先々月にこの文明通信で紹介した「Cash onlyの当店で電子マネーしか持っていない人が会計時に困っていた時にPayPayの個人間やり取りという助け舟を出してくれた青年」にしてもそうですが、これまでに困難な局面を迎えると普段は目立たず静かにコーヒーを飲んでいるだけの人が突如スーパーヒーローになって登場するシーンが何度かありました。
こういう人が潜在的にいる空間なんだなぁと思うことが多々あり、そしてそれは最初からそういう空間だったわけではなく創業当時はまさしくただのハコに過ぎなかった空間が経年とそして多くのSRCの皆さんと共にそういう空間になっていったように思えます。
お蔭様で珈琲文明は今月で創業16周年を迎えることが出来ました。
今後ともよろしくお願いいたします。

珈琲文明 代表 赤澤 智

ラフィ文明五輪

六角橋にある同じ創業年月の店「ラ・フィエスタ」と「珈琲文明」による4年に1度のイベント!

【日時】7/30(日)開場 午後2時半 開始 午後3時
【場所】珈琲文明
【入場料】1000円 軽食&ドリンク食べ放題飲み放題(ビールのみ別途有料)

Thank you sold out!
おかげさまで売り切れました!

★情報誌ARIFT(旧・ぱど)7/21号に当店が掲載されます!

本来掲載料を支払い宣伝広告をするフリーペーパーではありますが、無料で掲載されます。

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