文明通信2014年9月号
~こういう日が来るなんて~
「学生時代に通ってくれていたカップルがめでたくゴールイン」、「いつもカップルで来ていたのがある日どちらかお一人だけが来てくれた(「別れた」わけではなく・笑)」、など感慨深くかつとても嬉しい様々なご来店ケースがあります。そんないくつかある中で最近とてもとても嬉しかった初めての珍しいケースをご紹介します。もう5,6年前になるでしょうか、その御家族(御夫婦+娘さん※当時中学生)3人は来店された後、三人三様それぞれに読書をしていました。黙々と・・・。なんだかすごくいいな、自分にも子供がいれば(当時、私に子供はいませんでした)いつかこういうことやりたいなと思ったことを覚えています。やがてその御夫婦とはいろんな話をするようになり、やがて娘さんは高校受験を迎えました。奥様が「合否発表の時、娘は開口一番【ゴメン】と言った」とブログに書かれていたのを読んで私もなんだか胸が締め付けられる思いがしました。それから3年。その娘さんはその後の3年間どれくらい努力をしたのかをこちらが推し量る必要すらないほどのとてもわかりやすい結果を出しました。横浜にある某国立大学(名前伏せてることになってないですね・笑)に合格という大リベンジに成功しました。そして先日、この娘さんが初めて一人だけで、自分でアルバイトして稼いだお金で来店してくれたのです!国立大学に関して私が「超親孝行だよね」というと、「三年間私立に通わせてもらったんで・・・」という彼女。しなやかで、この上なくカッコ良く、鳥肌が立ちました。5,6年に及ぶ壮大な大河ドラマのハッピーエンドを共に味わうことが出来る喜び。店を続けているとこういう歳月を経た素敵な出来事に遭遇することがあります。これから先、他にも「こういう日が来るなんて」と思うことがあるかもしれません。店が歳を重ねていくことは手放しで嬉しく、そして有難いことです。赤澤珈琲研究所 代表 赤澤 智