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2013-12-05

文明通信2013年12月号

文明通信2013年12月号表
文明通信2013年12月号裏

「これからする話は今後こちらから率先してすることはありません(笑)」

夜10時までの営業もいよいよ年内いっぱいとなりました。今年1月の当通信で早々と発表し、またネット上では実は2年前から言い続けてきたことでもあります。なぜなのか?という理由に対しましては、何故も何も、もともと8時までの営業と当初から考えておりまして、しかし2013年12月までは10時まで営業しようという、いわばこれまでの営業期間のほうが例外だったということになります。では何故2013年12月まで10時だったの?となりますよね。はい、しっかりと理由があります。いつだったかも述べたことがありますがお客様というのは会社でいう株主のようなものでもあると考えていますので、少し生々しい内情の話もしてみたいと思います。これからする話は今後こちらから率先してすることはありません(笑)。 このお店は私の持ち家、持ち物件でもなければ、私が何代目とかでも誰かから譲り受けたものでもありません。お店を作るにあたり、私はまずひたすらに貯金をしてきました。全額自己資金で開くのがもちろん理想ですがなかなか厳しく、当初から自己資金半分、借入半分と考えていました。そして公庫から借り入れをしました。前置きはこれまでにします。はい、ズバリ、この度この借金を完済する運びとなりました。借金があるうちは利息もあることですし、夜10時まで延長営業しようと思いました。一般的に、いやほとんどの場合、この手の借り入れ時には「保証人(しかも連帯!)」というものが必要とされますが、例外の「新創業融資制度」という保証人不要のプランがありました。つまりは利息をさらに多く払うことになるプランです。私はこれを選びました。「珈琲文明クレド(信条)」の中に出てくる「引け目負い目のない・・・」というくだりを開始早々から破りたくはなかったことと、実父からの「そうすべき」というアドバイス(!?)もありました。このプランでなければもう少し早く完済していたのかもしれませんが、何の悔いもありません。今とても晴れやかな気持ちです。そしてこれは何はともあれいらしていただいたみなさんのおかげなのです。サイレントプレオープンの半月を除き、正式オープンから今日に至るまでただの一度も赤字になる月がなく、健全に運営してこられたのも全てお客様のおかげ以外の何物でもありません。ありがとうございました。借金が無くなってそのままの営業時間帯でいけば単純に収益は上がるのかもしれませんが、「長く続けていく」というほうに重きを置き、「Q(クオリティ).S(サービス).C(クレンリネス)」を強化していこうと思います(実際、Q以外はまだまだ全然ダメです)。そして当店の※クレド(信条)にもとづいた運営をこれからも心掛けて参りますので、引き続き珈琲文明をよろしくお願いします。そしてどうか皆様良いお年をお迎えください。   

珈琲文明 店主 赤澤 智

※珈琲文明クレド「自分自身や家族が幸福で健全で引け目負い目のない堂々と公明正大な運営をすることでそこに集うお客様にも幸福をもたらしたい」

今月の逸品「生クリーム」

雪崩式に次から次に出てくる最近のホテル、レストランその他飲食店の「偽装問題」。某コーヒーチェーンではケーキに対して偽って「生クリームを使用」として問題になったようです。同業だからというわけでもないですが、これに関しては少し同情します。なぜならそれを言ったらこのチェーン店どころか物凄い数のお店が便宜上「生クリーム」や「コーヒーミルク」などと呼んでいるはずだからです。流通に乗るような商品である時点で、完成時(出荷時ではなく)から店頭販売を経て最終的に消費者の口に入るまではどうしたって48時間くらいは経過してるはずなので、むしろチェーン店で純然たる生クリーム(添加物がある場合はともかく)を使用しているケーキは逆にデンジャラスでこっちのほうが私はドキドキします。一応ここで「生クリーム」とは何ぞやということを述べますと、「生クリーム」とは・・・牛の乳を遠心分離機で分離して得られる脂肪分の多い部分のこと。具体的には乳脂肪を18%以上含み、添加物や植物油脂を一切含まないもの。となります。それゆえこれと区別して植物性油脂を使用したものを「ホイップクリーム」などと呼ぶことが多いのですが、語意的に言うと「泡立てたクリーム」のことに過ぎないので紛らわしいですよね。同じことが「コーヒーミルク」にも言えまして、植物性油脂の場合、「フレッシュ」や「ポーション」などと言ったりしますが、多くの人はこれらを「コーヒーのミルク」と言ってますよね。これもまた繰り返しになりますが、コンビニ、ファミレス、オフィス等で用意されているのが本当に「コーヒー【ミルク】」だった場合、そっちのほうがスリリング過ぎといいますが別の問題いや事件に発展してしまいそうです。この話とは別になりますが、シャンパーニュ地方で作られたものしか「シャンパン」と呼べず、それ以外は「スパークリングワイン」と言うべきところを一般的には「シャンパン」という名がまかり通っています。私は個人的にはこれらの話と、「芝エビ」と謳いつつ「バナメイエビ」を使っている例とはやはり区別すべきなのではないかと考えます。本質的な問題を分散させてしまい焦点がボケていくような気もします。と、一応の同情をしつつも、それでは「本当の生クリーム、本当のコーヒーミルク」はどういうものでどういう味がするのか?それは今、当店で「チョコレートまたはチーズケーキ」を召し上がっているかたはそこに添えてあるものが純然たる「生クリーム」、コーヒーについてきたものが「コーヒーミルク」でございます。

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