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2013-11-05

文明通信2013年11月号

文明通信2013年11月号表
文明通信2013年11月号裏

「【ありえへん世界】未遂事件!?」

去年の今頃は「モヤモヤさま~ず2」や「孤独のグルメ」、「スーパーJチャンネル」などのテレビ放映が立て続けにあり、バタバタしていたのを覚えていますが、今年は取り立てて目立ったメディア露出もなく、特にテレビに関しては今年まだ一度も出ていません。そんな中で、「去年の10月よりも今年の10月のほうが来客数が多い」という結果はとても嬉しくかつリピーターの皆様には本当に感謝感激の今日この頃であります。さて、今年はテレビに出ていないと申し上げましたが、つい先日面白い話がありました。テレビ東京の「ありえへん世界(火曜のなんとゴールデン!)」という番組から電話があり、「そちらのカレーパンのことを詳しく聴きたい」とのことで、番組スタッフのかたが来店されました。私はこの番組を見たことがないので正確なイメージは出来ないのですが、「コーヒー専門店でありながらカレーパンが有名で、店内にいる多くのお客さんはカレーパンを食べていて、そのお客さんから感想のコメントをもらう」というのがその日のスタッフさんのミッションだったようで、当店のピークタイムである2時~5時の3時間、ハンディカメラを用意し常に動けるようにスタッフさんはカウンターの隅っこでスタンバっていました。そうです、ただひたすら待っていたのです。結果は・・・3時間誰一人カレーパンを注文するお客様はいませんでした(笑)。これは当店としてはさほど珍しいことではなく、出る時は出るし、出ない時は出ないものであり、もちろん私はこのことをスタッフさんに事前に説明はしておきました。でもおそらく番組制作側は「カレーパンが飛ぶように売れるコーヒー屋」という買いかぶり(笑)をしてくださっていたのでしょう、結果的には後日電話があり「今回はいったん無しにしていただいて、この企画の第二弾の予定もありますのでその時にまたお願いできたらと思います」という、すなわち「やんわりとボツ」(笑)の連絡が来ました。それはそれとして、今回のこの件で私は一つ感心したことがあります。まさに昨今「偽装」や「ヤラせ」が蔓延する食品、飲食店、テレビ制作業界、の中で、随分しっかりと足を使って地道に取材してるんだなぁと思いました。手っ取り早く番組を成立させるのであれば、スタッフのどなたかを(私にも知らせずに)お客さんに仕込んでカレーパンを食べてコメントももらうみたいなこともきっと考えられたと思います。しかし、この番組のスタッフさんは本当にただひたすら一般のお客さんがカレーパンを注文する瞬間を待っていました。こうした「作り事ではない」リアルな部分を愚直に導こうとし、しかも徒労に終わる(すみません、、)という積み上げにより成り立っている番組は好感が持てるなぁと思いました。かくして「さんまのからくりTV」、「ナニコレ珍百景」以来の珈琲文明テレビ放映未遂事件となりました。ところで今回のこの結果について私はあまり残念には思っておらず、あるのはとにかくいらしていただいたスタッフのかたへお疲れ様ということくらいです。というのはもしもこれが「コーヒー」がメインの話であれば「放映ボツ」は大変残念なのですが、「カレーパン」に関しては以前「ぶらり途中下車の旅」のオンエアの後、当店がまるでパン屋さんのようになったことがありまして、それもまた本末転倒かなという思いをしました。当店にとって「カレーパン」というのはあくまでも貴重な伏兵であり、主軸、4番バッターが「コーヒー」であることはブレたくないという気持ちがあります。しかしもちろん「貴重な」伏兵ではあります。こちらからは全く声高に宣伝してないメニューが今回のみならず様々な媒体で取り上げられていることは素直に嬉しいことですし、これに凌駕されることなく主軸であるコーヒーをしっかり提供しようと刺激にもなります。要は「塩梅(あんばい)」や「さじ加減」の問題ですね。さて、おいしいコーヒーの研究にいそしみます。

赤澤珈琲研究所代表 赤澤 智

今月の逸品(一品)【ロゴマーク】

看板やポイントカード、ネット上で使われている当店の「ロゴマーク」は私の妻が考案&作成を行いました。美大出身の妻ゆえデザイン作画に関してはさほど苦労はしなかったものの、パソコンで描き、データにしてサイトへアップする等のノウハウがなく、そういう部分でエネルギーを使ったそうです。ホームページでこのロゴマークのサイフォンコーヒーが上下に移動する動画になっていることなどは試行錯誤による偶然の産物であり、もう一回やれと言っても不可能だそうです(笑)。デザイン上のこだわりとしましては「下のフラスコとロート(上のコーヒー粉が入っている部分)をつなぐ部分の箇所のラインにのみワンポイントで「紫」を使用(その他は全て白黒と茶色のみ)しているところで、これにより単なるレトロ&クラシカルではなくポップで親しみやすい要素を取り入れているのだそうです。ちなみにこの文明通信のレイアウトや、外に出している黒板に書いてある季節のメニュー看板も全て彼女の手によるものです。どうしても男性性が強く出てしまいがちなコーヒー専門店の店構えにささやかながら女性性の空気を吹き込んでいるという部分がこのロゴマークにも表れているかと思います。

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