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2016-09-05

文明通信2016年9月号

文明通信2016年9月号表
文明通信2016年9月号裏

「こち亀とエアロスミスの凄さ」

マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所(以下【こち亀】)」がとうとう終了するとの知らせを聞きました。これまで特に読み続けてきたマンガではありませんでしたが、なんと「こち亀」が最初に少年ジャンプに掲載されたその時、つまり第一話のジャンプを私(当時9歳)は購入してたのです。毎週買うわけではないのになぜかその号だけは買い、しばらく家にあったのでよく覚えています。第一話のタイトルが「始末書の両さん」だったことまではっきり覚えています(この度確認のために調べたり、その後マンガ喫茶で読んだりはしてないのでもしかしたら微妙に異なるタイトルだったかもしれませんが、おそらく間違いはないと思います)。
この当時、私は漫画家になろう!と思ってたのかどうかまではわかりませんが、
オリジナルのマンガを作って友人とそれらを見せ合うという時間が自分にとっての最高の娯楽でありました。
あれから40年。ただの一度も休載したことがなく、単行本は200巻となったことは誰もが驚嘆そして称賛するのは言うまでもありませんが、とりわけ私が凄いと思うのは、このマンガは原則として「一話完結モノ」であるということです。
世の中には超人気マンガというものがあって、しかもかなりの長編で、中には「わざと話を長くしたいがためにズルズル引き延ばしてる印象」を与えるものもあり、そしてそれは「続きもの」であるがゆえに可能ともいえます。
ところが、「こち亀」の場合はそうはいきません。毎号毎号「産みの苦しみ」と共に戦っていたことは想像に難くありません。
ミュージシャンの中でもストーンズをはじめ、長きに渡り活躍しているバンドがいますが、「カントリー、ブルース、R&R」の類になると長く続けるとさらに味わいも深くなり、
大御所、重鎮と呼ばれる人たちも多いのですが、私が個人的に「ちょっと考えられないくらいの奇跡のバンド」と思っているのがエアロスミスです。
それは「ハードロックを40年以上」続けているからです。化け物と呼びたいです。
私がお店をやるにあたって掲げる最大の目標のひとつが「長く続けること」です。
このようなモンスター作家&ハードロッカーたちが標(しるべ)となり私を導いてくれています。「こち亀」作者の秋本さんによる最終回を迎えるにあたっての弁「新しい作品を描きたくなったから」というのもまた痺れました。
この40年、つまりは私自身が物心ついてからのほとんどの期間、自分自身の変化の凄まじさと対照的に、ひたすら毎週休むことなく描き続けられていたマンガがあったなんて本当に心から敬服いたします。
※イラストは40年前の私の創作マンガの主人公「くつし太君」です(笑)。

赤澤珈琲研究所代表 赤澤 智

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