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2016-08-05

文明通信2016年8月号

文明通信2016年8月号表
文明通信2016年8月号裏

「シングルオリジンというメニュー表記について」

これまでの「ストレートコーヒー」から、「シングルオリジン」というメニュー表記に今年の4月に変えました。定義からすると当店では創業当初からずっと「シングルオリジン」でしたが、
この「シングルオリジン」という名称が巷であまり浸透していなかったことや、
ショットバーなどで「バーボンのロックをシングルで!」の時の「シングル」、つまりダブルに比べて量が少ない、デミタスカップみたいなもので出てくるんじゃないか、と思われる不安もあり(笑)、というよりこれまで実際に何人かのお客さまにそう思っていたと言われたこともありました。
一方で、「ストレート」という呼び名も、「何も入れないでストレートで飲むもの」と誤解を招き、ミルクや砂糖を入れたら怒られるんじゃないか」というお客様への不安を煽る(笑)ものだったかもしれないという葛藤のうちにやがて「シングルオリジン」という名称はもはやコンビニのコーヒーでも聞かれるほどのポピュラーなものになりましたので、当店でも表記を切り替えることにしました。
「シングルオリジン」とは何かという説明につきましては、当文明通信去年2015年の3月号「シングルオリジン、その先にあるのは地球の平和!?」を参照していただけるとありがたいのですが、
今一度ごく簡単に述べますと、「【ストレート】ないしは【シングルオリジン】はまず大前提としてどちらも【ブレンドされていない単一銘柄の豆を使用していること】」となりますが、
この「銘柄」というものが、「国」であったり「山」であったり「取引する港」であったりが同じなだけの物凄く大雑把なくくりを「ストレート」とし、「農園や品種、生産処理方法が同一で生産者の顔が見えるコーヒー」を「シングルオリジン」とお考えください。
さて、とはいえそんなこと言っておきながら当店のメニューをご覧いただくとわかりますが「ブラジル」や「コロンビア」といった大雑把な国表記になっています(笑)。
これは単に紙面のスペースの問題なだけでありまして、
例えば当店今シーズンのコロンビアに関しましては、
・地域:ウィラ県,サン・アグスチン,サンタ・クララ
・農園:サン・イシードロ
・生産者:ホセ・ドゥビエール・パラ
・品種:カスティージョ,カトゥーラ,コロンビア
・生産処理:水洗式 / パラボラ式乾燥棚での乾燥
とここまでの情報を書く必要が出てきますので、便宜上割愛させていただいております。
赤澤珈琲研究所 代表 赤澤 智

おじゃ丸の他店おじゃまします
「歯医者」(どこの?)

自分にとってとても気に入った場所がある場合、そこを誰かに教えたくなったり、ネットで呟いたりシェアしたくなったりするパターンと、
ここは他の人には教えたくない、自分の特別な場所だから誰にも教えない、というパターンがあると思います。前者(拡散パターン)は商売をやっているそこの店主であればもちろん嬉しいものですが、後者(秘密パターン)というのも心情的にとても嬉しいものでして、当店もこれまでに何人かのお客様にそのように言われたことがあり感激したことがあります。
私にとって、この後者(秘密パターン)なる場所で今すぐ思い浮かぶ所が3つあります。
「床屋」、「整骨院」、「歯医者」です。
はい、いずれも飲食店ではなく、いわば私がプライベートで利用している機関です。
共通しているのが既に人気店であり、こちらが黙っていても既に混んでいるためこれ以上有名になってほしくない(もちろん絶対に潰れてほしくはないですが)という点です。
例えば三つ目の「歯医者」ですが、私は生来歯が丈夫で、永久歯になって以降は「親知らずの虫歯」または「親知らずの抜歯」以外で歯医者に行ったことがありませんでした。
それゆえそもそも歯医者というところが謎めいており、
かつまたここ白楽周辺だけでも数多くの歯医者さんが存在し、
どこがいいとか悪いとかもあまり私の耳には入ってきませんでしたし、必要に駆られるでもありませんでした。そんな時に既に昔から当店によく来てくださっていたお客さんご本人が歯医者さんという人を知っていました。元来私にとっては無縁の場所であっただけにまずはそれだけの間柄(こちらが店主でその方がお客さん)で、ごく普通の会話を交わしたりしていました。特に商売っ気も何もないごく普通の会話の中にこそ人間性は滲むもので、いつか歯医者が必要になった時はこの人のところに行こうと決めていました。
時が流れてこのたびめでたく、いや、めでたくはないですが、またもや親知らずの虫歯というものになりそこに行くことにしました。本当に良心的で素晴らしいところでした。
どこなの?このへんなの?教えてよ。となりますよね?
そんなわけで教えたくありません(笑)。ただし、興味本位だけではなく、切実にどうしても知りたい人には口頭にて直接お話ししますので訊きにいらしてください。

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