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2016-10-05

文明通信2016年10月号

文明通信2016年10月号表
文明通信2016年10月号裏

「赤いメガホン」

今回のこの話はいつも裏面に書く「今月の逸品(一品)」のほうがふさわしい気もするのですが、「逸品」とは到底言えないだろう(笑)ということで表面(でいいのかという話もありますが)に書きます。
今年は広島カープが四半世紀ぶりにリーグ優勝しました。
私は特にカープファンということでもないのですが、
プロ野球は「いつもは優勝しそうにないチームが優勝しそうになった時にそこのチームを応援する」というスタンスをとっていますので、
今年はカープを応援しました(去年はヤクルトでした)。
さて、当店にはずっと前から「赤いメガホン」があります。
でもカープとは関係ありません。
とはいえ客席ではなく、厨房内にあるものですからお客様は知る由もありません。
なんのためにあるのかいいますと、「漏斗」として使っているのです。
「漏斗」をぜひ「じょうご」と読んでください。
同じ読み方で「ろうと」とも読むのですが、
いつもサイフォンで淹れる際に
「フラスコの上部に置いてコーヒーの粉とお湯が混ざることになるあのブツ」
も「ろうと」と呼んでいますのでここはそれと区別してぜひ「じょうご」と読んでください。
「じょうご」、そうです、それは「口の小さな容器にはめて主に液体を注ぎ入れる用具で、下方へ行くに従ってつぼんでいく形状になっているもの」のことです。
トイレに使うアロマオイルや、詰替用の洗剤等にはそれこそ本物の漏斗を使いますが、
軽井沢から届いたコーヒー豆各種500gの袋からキャニスターに入れ替える際に、
一般的な漏斗ではインプットもアウトプットも小さすぎるという欠点があり、
どうにかならないだろうかという時に妻から「メガホンは?」という妙案が出まして、
百均(笑)で買ってきたのがこの赤いメガホンなのです。はい、百円でした。
購入後9年経っても朽ち果てる気配すらありません(笑)。
落としても壊れず、毎日洗うので汚れも溜まりません。
外に持ち出す機会があるとするならば、カープの試合を見に行く時(あるのだろうか?)くらいで、このお店が無くなっても、私が死んでも、このまま100年くらい残ってるようなものって、ひょっとするとこういうようなものなのかもしれません。

赤澤珈琲研究所代表 赤澤 智

「パルプ【ト】ナチュラル」

摘み終わったコーヒーチェリー(実)はその後生産処理が行われますが、
この生産処理の方法には物凄~く大きく分けると二つの種類があります。それは、
① 果肉を取らずにそのまま天日干しにする
② 果肉を取って水で洗い流す
という2つでして、①を「ナチュラル」、②を「ウォッシュト」と呼んでいます。
それぞれのフレーバーの違いとしましては、果実を例にしますと、「ナチュラル」は甘みの支配力が強いフルーツ、例えば、メロン、バナナ、桃、など(しかもよく熟したもの)、
「ウォッシュト」のほうはいわゆる柑橘系の酸味、つまりオレンジ、レモンのようなジューシーなものをイメージしていただくと良いと思います。
さて、今回紹介します生産処理方法はこれら二つのいいとこ取りのような方法で、
それは「パルプトナチュラル」と呼ばれるものです。
「ウォッシュト」と同様、まず果肉を取るのですが、その際に豆のまわりに付いている「粘液質(ミューシレージといいます)」まで洗い流すのがウォッシュトで、その粘液質を残したまま乾燥させる方法が「パルプトナチュラル」です。
フレーバー特性としましてはナチュラルとウォッシュトの両性具有的(?)なものになります。
現在、当店の「グランクリュ(特級農園)コーヒー」としてメニューにあります「オウロ・ヴェルジ農園」のコーヒーは、
ブラジルカップオブエクセレンスでこの「パルプトナチュラル部門」で第二位を受賞したコーヒーです。

さて、これ以降の話は単なる言葉の話(愚痴?)になりますが、この生産処理方法の呼び名で「ウォッシユ【ド】」「パルプ【ド】ナチュラル」と呼んだり記載したりしているコーヒー会社やお店が実に多くてビックリします。edの正式な発音語法にのっとれば、これらはいずれも「ウォッシュ【ト】」であり「パルプ【ト】ナチュラル」であるはずであり、
一般の方々が【ド】を使うのは何も気にならないのですが、公式の場で頻発されているのを目にするのは違和感しかありません。「スペシャ【ル】ティコーヒー」ではなく「スペシャ【リ】ティコーヒー」と表記(これに関しては言語法ということで言えばどちらも間違いではありません)しているところにも同じ違和感を覚えますが、
きっと私が細かすぎるんだと思います(笑)。

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