文明通信2017年9月号
「史上最年少来店者の二人」
先日、お子様連れの保護者の方にまず入口にて「子供連れは大丈夫ですか?うるさくするとまずいですよね?」と訊かれ、
「制限はしていませんが、お子様が騒いだりした場合、注意はします」と答え、
結果そのお客様はお帰りになられたということがありました。
返答の仕方がいささか高圧的だったのかなぁという反省を元にここで補足しておきますと、
「年齢、国籍等の制限はなく、保護者の方の指導が有効な場合を除き(また乳児の場合は暖かく見守る体制へのご協力を周囲にお願いし)、
その他のお客さまにとって快適な空間が阻害されると判断される場合には口頭で注意する」
ということにしております。よろしくお願いします。
ところで、これまでに保護者同伴無しでの未成年最年少来店者はといいますと、なんと9歳(小学3年生)という記録があります。
それは当店創業の初年度、今から10年前の秋でした。
一人の女の子が「子供なんですけど大丈夫ですか?」とやってきました。
すごいシュールな光景でした。しかし店の外には日頃よく親御さんと来店してた某著名人の娘さんのEちゃん(やはり同じく9歳)の姿を認めた私は合点がいきました。
初めからEちゃんが言いに来ればそこまでシュールな気分にならなくてすんだのですが(笑)、Eちゃんは恥ずかしかったらしくお友達にその役を託したとのことでした。
二人は商店街の商品券を握り締めて「これで頼めますか?」と言ってきました。
(※商店街の商品券は金券として当店でご利用可能です)
二人はそれでケーキの単品を注文し、私はとてもほのぼのした気分になりました。
あれから10年の歳月が流れ、Eちゃんはこの春大学生となり、しかも私の大学の後輩かつ軽音楽部にヴォーカルとして入部という直属生粋の後輩(30年下ですが)となりました。そして、つい先日、なんと10年前のあの時のお友達と二人で再び来店してくれたのです。小学校の同級生だった二人は中学高校は離れたものの、交流は続いており、
「あの日の喫茶店に二人で行ってみよう!」ということになったそうです。
二人も感慨深かったのかもしれませんが、絶対に私ほどではなかったでしょう。
「お店をやって10年のご褒美」はこんなところにもありました。
珈琲文明 店主 赤澤 智