文明通信2024年11月号
「必見!『~白楽・六角橋の~どこコレ?展』」
ただいま六角橋商店街連合会設立70周年を記念して、地域の皆さんから提供していただいた写真を展示し、街にまつわる情報や思い出を集めるというイベントを開催しています。
白楽駅周辺がなんと山だったという昭和2年のショットはかなりのインパクトがありましたが、商店街の街並みは概ね今でもハッキリ面影が残っているところも驚きました。
珈琲文明の場所にかつてあった衣料品店の「駒屋」の写真も展示されております。
「駒屋」は戦後から60年続いた老舗であり、今から約18年前に「引退、勇退」された名店であります。
六角橋商店街にひと目惚れした私はどうしてもこの商店街(しかもアーケードのある狭いほうの仲見世)でお店をやりたくて、当時まだどこも物件が空いていないのにも関わらず前職を辞め(学習塾をやっていたので受験生を送り出した後の春のタイミングで辞めるのが最も引継ぎの弊害が少なかったので)2006年に横浜に引っ越してきました。
そうです、引っ越してきたはいいが物件は空いていないのです。
何の根拠もなく「きっと空くはずだ」と信じて六角橋で暮らし始めました。
やがて「駒屋」が勇退閉店するという情報を不動産屋さんから聞き、ただし在庫処分や昔からのお客さんへの挨拶もあるから半年くらいかけて閉店セールをしたいとのことでした。
どうしてもここでやりたかった私は「待ちます!」と言い、ただ無職無収入になっていた私は40歳にして日雇いの肉体労働のバイトをしながら日々「ここでお店を開くんだ」というビジョンを持ちお店の内装のイメージをどんどん膨らませていきました。
60年続いた綺麗な商いの魂が宿るこの店舗を自分の店で終わらせたくないという思いもあり当店もどうにかこうにか17年続いています。
「駒屋」の店舗はいったん更地同然のように解体しましたが天井を抜いた時に出て来た太い「梁(はり)」はあまりにカッコよかったのでそのまま残して今もあります。
60年+17年、通算77年モノの梁です。
この度「駒屋」のご主人(御年間もなく93歳!)とこの「どこコレ?展」に一緒に行ってきました。
「駒屋」と「珈琲文明」の写真が並んで掲示されています。
私が40で始めた珈琲文明なので80歳になるまで続けば「駒屋と珈琲文明の通算で百年」ということになります。
そんな未来にまたこうした写真展のようなものがあったなら「へぇ~こんな頃から珈琲文明はあったんだ」と言われるようになるまで元気でいようと思います。
「~白楽・六角橋の~どこコレ?展」場所は旧「會田金物店」だったところ(珈琲文明のすぐ裏、いやこっちが裏なんで表側ですね)で11/16(土)まで開催中です。
時間は11時~17時。定休日は木曜。入場は無料です。
珈琲文明 店主 赤澤 智