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2020-11-05

文明通信2020年11月号

文明通信2020年11月号表
文明通信2020年11月号裏

「異色のコラボ対談実現しました(Take Freeです)」

今月は文明通信「号外版」の詳細を文明通信本編で述べてみます(笑)。
「大人気ブックレビュアーがビジネス書作家に聞く【自己実現への道】」という内容で、この大人気ブックレビュアーなる人が上田光俊さん(通称ウエサマ)、ビジネス書作家の一人が副業アカデミー代表の小林昌裕さん、ここまでは間違ってないのですが、もう一人のビジネス書作家が大変恐縮ながら私赤澤でおおくりするコラボ対談の模様を記事にしたフリーペーパーが出来上がりました。ビジネス書作家も何も私にとってこれまでに(自主制作の小冊子等は除き)大手出版社から全国に販売されることになった書籍はこの度の「人生に行き詰った僕は、喫茶店で答えを見つけた」ただ一冊だけであります(苦笑)。
小林さんと並列で語られるのはおこがましい(収入面でも向こうは億万長者ですし)のですが、この対談が個人的にとても感慨深い理由があるのです。
拙著(「人生に~」)を出すにあたって、ストーリー構成担当のMARUさんは私のこれまでの膨大なブログや小冊子やつぶやきに至るまで、本当に細かく読み込んでくださったわけですが、私は私でMARUさんがこれまでに手掛けてきた数々の書籍をつぶさに読ませてもらいました。それにより「あの作品のああいう感じで」という共通言語のようなものが生まれ、ストーリー構築作業が断然はかどるであろうと考えたからです。そしてその「あの作品のああいう感じで」という話題に最も私が多く例に挙げた作品が小林昌裕さん著(構成MARUさん)の「勇気とお金の法則」だったのです。
この本「勇気と~」は内容全体で大変素晴らしく感動的であると同時に、細かい部分、例えば「自分のためになるけどちょっと嫌なことをやってみる」は、実は去年の私自身のスローガンにさせてもらったものでもあります。ここでいう「嫌なこと」は難しく不可能なことでは全然なくて、事務的で面倒くさくて地味なことであることが多く、でもそれをやることは確実に自分にとって良いことがわかりきっているならそれをやろうということです。
私は昨年、お店を早じまいして表参道にある丸山珈琲シングルオリジン専門店での「サイフォニスト世界チャンピオンによるサイフォン講座」というものに参加してきました。これまでにそれこそ何十万回もサイフォンでコーヒーを淹れてきている身ではありますが、それゆえ自分が王様であるかのような勘違いや新たな視点で目から鱗の気付き等も得られるであろうことから、自分の中では「行ったほうが良い」という信号が出ていたのですが、その際に「早じまいした分の売り上げ(これを考慮すると講座への参加費はとても高額になる)」のことやそもそも「都会(特に渋谷を通るの)が面倒くさい」という気持ちがこれまでであれば邪魔していたはずなのですが、その時にこの「自分のためになるけどちょっと嫌なことをやってみる」というスローガンに後押しされて講座に出席しました。結果的に大正解で多くの有益な知識や新たな発見を得ることが出来ました。
思えばこの去年の私のスローガン「自分のためになるけどちょっと嫌なことを敢えてやってみる」という指導の発信者と直接お会いして対談することになるとは、それだけでも今年自分も本を出版してよかったと思いました。
また人気ブックレビュアー「ウエサマ」による拙著のブックレビューに関しましてはある意味「これ以上説明不要」なほど言い得てくださっているともいえる(特にノムさんの「勝ちに不思議な勝ち有り、負けに不思議な負け無し」なんてまさに私はノムさんのその言葉からカフェ経営への手がかりにしたものです)ので、とにもかくにもまずはこの異色のコラボ対談及びウエサマによるブックレビューが載った「文明通信号外」を皆様ぜひご覧ください。

※これまでの「ロバートハリスさんとの対談」のフリーペーパーと外見上そっくりで紛らわしいため(笑)しばらくはこの異色コラボ対談のほうだけを店内及び店頭に出しておきます。

※小林昌裕さんの「勇気とお金の法則」が表紙と書評で対談部分が同一のものもございますのでそちらもお気軽にお持ち帰りください。

珈琲文明店主 赤澤 智

文明文庫「働くのがイヤな人のための本」中島義道さん著

今回のコラボ対談内で三者三様にオススメのビジネス書を一冊ずつ紹介していますが、
実はこれ対談の中で不意に来た質問で私は(小林さんも)答えの準備は何もしていなかった中でその時思い浮かんだ一冊を挙げました。私自身これまでにビジネス書と呼ばれるものはかなりの数読んできたつもりでして、良書も挙げたらキリがありません。ただ、この中島義道さんが書いた「働くのがイヤな人のための本」はちょっと別次元といいますか、ビジネス書という範疇でもなく、かといって他の自己啓発系にも属さない、完全に「空席」に居座っている書なのです。この本のことをこの狭い紙面で述べるのは正直不可能なので、所持しているこの本を開くと数多くの赤線が引かれている(ホントにもうどこも真っ赤です)その中からほんの一部を引用しておくに留めることとします。
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>人生とは「理不尽」のひとことに尽きること。思い通りにならないのがあたりまえであること(中略)社会に出て仕事をするということは、このすべてを受け入れるということ、その中でもがくということ、その中でため息をつくということなのだ。だから尊いということ。
>われわれは実際に仕事してみること「そのこと」のうちからしか、自分の適性はわからないだろうし、才能はわからないだろうし、ほんとうに自分のしたいことすらわからないだろうということ。つまり「自分とは何か」はわからないだろうということである。
>日々の仕事に不満を感じながらも、そこから逃れようとしないことのうちに、自分のかつての夢の「軽さ」もわかってくる。しかも自分にふさわしい仕事をやっと見つけて、その中で自分のしたいことがわかったとしても、けっして(いわゆる)バラ色の人生が開けているんではないんだ。そこでもあなたはまたもや敗退する可能性は高い。しかしそれでもからだごと動いてゆくことを通してしか、あなたが「よく生きる」ことはできない。
>仕事における他者とのかかわりは、不特定の他者でなければならない。きみの労働力(作品)に対して、不特定の他者が代価を払うことを期待できるのでなければならない。(中略)ある人が親戚と知人だけに絵を売っているのなら、その作品がいかに優れていようとも、彼(彼女)はプロの画家ではない。ある人が自分の小説を知人に無料で配っているだけなら、それがいかにおもしろくとも、彼(彼女)はプロの作家ではない。その労働によって金を得ること、これは仕事と切っても切れない関係にあり、仕事の本質を形成する。なぜか?そのことによって、われわれは真っ向から社会とかかわるからである。甘えは通用しないからであり、苛烈な競争が生じ、自分の仕事に対して客観的評価が下されるからだ。「客観的」とは公正という意味ではなく、不特定多数の市場における容赦のない評価という意味だけれどね。そして、ここにあらゆる理不尽が詰まっている。だからこそ、われわれが生きてゆくうえでたいそう貴重な場なのだと言いたいんだ。

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