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2020-05-05

文明通信2020年5月号

文明通信2020年5月号表
文明通信2020年5月号裏

「書籍化の経緯等述べてみます」

4/1に自身の書籍が発売され、非常事態宣言も出て、この一か月ずっとエイプリルフールなんじゃないかというくらいに激動にして少し現実感も希薄な、でも絶対に一生忘れない一か月が過ぎました。さて、こんなご時世ですから人と会ったり話したりすることも少ないのでこの度の書籍化の経緯等をこの場を借りて述べておきたいと思います。
まず、5年前に当店が載った「横浜カフェ散歩」という本を手掛けたMARUさんという女性がその後私がこれまでに書いてきたブログを読んで「本にしてみませんか?」と言ってくださったのが発端です。一口に私のブログと言いましても大きく分けて「メジャーからの生還(メジャーデビュー近辺の顛末)」「実録サラリーマン時代(学習塾時代)」「文明ロード(珈琲文明開店までの実況中継)」「一人でカフェをやるための経営指南書(名前のまんまです)」があり、それぞれがもうウンザリするほど膨大な量があります(笑)。そしてこれら全てをMARUさんは完全に読み込んでくれました。
私は私でMARUさんがこれまでに編集構成等で手掛けた作品のほとんどを読ませていただきました(これも重要なことで「ここはあの作品のあんな感じのニュアンスで」などのすり合わせ共通言語的なものを共有するためです)。
つまり簡単に言いますと「これまでの自分の膨大なブログを小説仕立てにした」ということになるのですが、MARUさんをはじめ出版社(祥伝社)の方などの複眼的視点及びアイディアと共に作り上げていったといえます。このことは自分自身も当初予想しえなかったストーリー展開にもなり、またそこが自分の中でも大変新鮮でした。
例えばもし私がたった独りで全て作り上げることになっていた場合、特に以下の二つのようになっていたはずです。
まず一つは、「自分自身や店名を本名ではなく、架空の名前を使用していた」ということです。私は例えば作詞をする際にも自作品の大半はフィクションですし、これがノンフィクションになるとある種の気恥ずかしさも生まれ思い切りのよいものが作れないという考えを持っていました。
もう一つは、「自分の音楽作品を挿入する等は考えの外にあった」ということです。
文章は文章、音楽は音楽、というように自分の中で「けじめ」のようなものをつけていたように思います。ところが、MARUさんをはじめ編集スタッフから出た案は「限りなく実話に近い話で、この小説のテーマソングと呼べるような楽曲も作りそれも載せる」というものでした。当たり前のことかもしれませんが妙ににリアルな話(笑)となりました。
テーマソング作りに関しては腕が鳴りまくり、それこそ水を得た魚のようでした。
さらに過去のブログのどこを切り取ってくるかというチョイスも私はMARUさんに委ねました。例えば「学習塾時代の思い出深い生徒の話」ひとつとっても幾通りもあった中で「漫画が好きでスラムダンクの話で盛り上がった生徒」が選定されたこととかも新鮮でしたし、音楽の世界でもプロデューサーやアレンジャーがいるように本の世界では編集の人の手に渡ってからの良い意味での化学変化というのも楽しませてもらいました。
いわゆる「重版」というのが夢であり目標でありそのハードルはとても高いとは思いますが、もしそうなった場合、既に手に入れてくださった方々が「初版でサイン入りを持っている」ということを誇らしげに思っていただけたならこれほど嬉しいことはありません。
「人生に行き詰った僕は、喫茶店で答えを見つけた」まだまだ絶賛発売中です。
※店内は勿論、書店やAmazonで購入された方もご要望あらば大喜びでサイン承ります。

珈琲文明 店主 赤澤 智

文明文庫第四冊目「人生に行き詰った僕は、喫茶店で答えを見つけた」

こんなコーナーがあるなら今月はもうこれしかないわけで(笑)過去に紹介してきた御大がたと並列とはとてもおこがましい限りではありますが、店主特権行使ということで(笑)。
拙著の宣伝や広告は散々それこそホームページやSNS各種で五月蠅い(季節がらピッタリな言葉です)くらい投稿してますが、そもそもどんな本なのか今一つピンと来てない人も多いはずで、「コーヒーの(淹れかた等)本」※かつての拙著「世界一わかりやすい珈琲の本」のようなものなのか?とか、「カフェ開業方法の本」※これまた拙著「必ず失敗するカフェづくり」のようなマニュアルハウツー本?とか思われる方も多いかと思いますが、ここはズバリ申し上げておきましょう、この本は「ビジネス小説」です。
「ビジネス書」や「小説」という括りであれば随分とライトで深みに欠けて文学的ではないかもしれませんが、敢えてポップな路線を目指してみた書籍といえます。
六角橋商店街や店名人名いろいろと実名で登場するので地域馴染みの人には特にお楽しみいただけることと思います。「百聞は【一読】に如かず」ということで店内閲覧用も一階と二階の本棚にそれぞれ一冊ずつ置いておきますのでどうぞご自由にお読みください。

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