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2019-07-05

文明通信2019年7月号

文明通信2019年7月号表
文明通信2019年7月号裏

「店舗運営冥利に尽きる喜ばしい出来事」

今月で丸12年を迎えた珈琲文明、この文明通信も同じく12年、今月で144回書いてきたことになります。12年前の創刊号は「お店を運営していく中で起こった嬉しい出来事を箇条書き」しているだけの内容から始まりました。今月は初心に戻って(?)この12年の中で「店舗運営冥利に尽きる喜ばしい出来事」をいくつか列挙してみようと思います。

【エピソード1】自宅から店までの「通勤路」の途中に会う個人的には世界一可愛いと思ってる犬(犬の種類に疎いのでわかりませんが、ゴールデンレトリバーに似て非なる種類でルックスがとにかく好み)を見て毎朝癒されていたところ、ある日その犬の飼い主が家から出てきたところ当店によくいらっしゃるお客様だったことが判明し、私は思わず「この犬のことをいかに愛しているか」を熱弁し盛り上がった(笑)。

【エピソード2】近所にある八重桜がひと際綺麗なお宅があり、「この木の下を通るとエネルギーが浄化される」と、「そういう系の気」を感じられる(?)妻が常々言っており、そういうことは私はわからないまでもとにかく周辺に緑はなく、かつ花見シーズンを過ぎたあとに咲き誇るオンリーワンなその八重桜のお宅にお住まいの人が実は頻繁に当店にいらしてくださっているお客様で当初インスタグラムだけでその方と繋がっており、その方が投稿した自宅の八重桜の写真でそれが判明し、これまた私は「いかにこの八重桜に日々癒されてきたか」を熱弁(笑)。

【エピソード3】二世帯住宅的家屋にして見た目は一軒家でもその実赤の他人が住むという家に私は住んでいるのですが、その同じ家屋にして隣の住人(お母様と娘さん二人)と私は面識がないに等しい状態だったのが、ある日店内で「娘が生まれました」という内容の「文明通信」を見て、さらに「赤澤」という名前から「もしかしてお隣の人ではないでしょうか?」という話をしてきてくださり、その親子は当店の存在はもともと知っておりその店主が隣に住んでいたということに驚き、超局地的近隣話(笑)に花が咲く。

【エピソード4】当店舗の大家さん、かつてここにあった老舗衣料品店「駒屋」の店主の孫にあたる娘さんが何度か来店してくださっていて、「おじいちゃんやおばあちゃんのお店がこうなったんだなぁ、あそこにあれがあって、あっちはああで・・・」と懐かしんでくれているだけでこっちも感慨深く、「駒屋から空き店舗期間ゼロで通算70年以上続くここをしっかり続けていかなければ」と思っているところある日その孫娘さんが結婚することとなり、さらに時は流れご懐妊となり、さらにさらに時は流れ、ある日の閉店後、その孫娘さんがわざわざ生まれた赤ちゃんを私に見せに来てくれた。
この時の喜びはなかなかうまく表現できないまでもとにかく全身でジーンとした。
ここに挙げたエピソードに共通しているのは全てある程度長い年月を要する出来事であり、それゆえより深みのある感動が押し寄せてくるという点であります。さらに深く、太い、数多くの年輪を刻んでいけるよう13年目も邁進していきたいと思います。

珈琲文明 店主 赤澤 智

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