文明通信2016年11月号
「文明回避」
土日祝日になると当店のツイッターやフェイスブック等で私がよく発しているフレーズがあります。それは「日曜日の本日はぜひ文明回避をオススメします」というものです。
なんだかヤル気のない雇われ店長(笑)みたいですが、店主として私は当然お店の売上や集客を上げる重要性は理解しています。ただ、「長期継続」という考えの方に重きを置いているため、「お客様には入れるだけ入ってもらって、メニューオペレーションも効率を重視して、どんどんサバいていく」という、悪い意味での「お客様との一期一会的発想」は絶対にしないようにしています。土日祝日の当店はかなり混雑することは長年の統計からも明確であり、これが完全に満席であればまだいいのですが、例えばかろうじて空いているカウンターの席にお座りになられた場合、両隣との接近も著しく、まるでファーストフードか立ち食いソバ屋のような状態になってきます。私だったら「そうまでして一杯600円以上するコーヒーを飲みたくない」とも思いますし、もう少しゆったりとしたスペースで時間を過ごしたいと思う方々が大半だと思うのです。ですから来店されてからそういう状況に巻き込まれる(?!)よりも事前に把握していただいて、「今日はやめておこう」と考えていただくことはきっと有効的(とりわけ電車や車を使って遠方から来られる方々には)だという思いからこれからも「土日祝日は文明回避」を提唱していきます。
「いつも混んでるけどやっと入れた」という人がいる一方で、例えば今これを読んでいて、「え?いつも空いててあんまり人もいないし、今もいないけど?」という人もいらっしゃるはずで、しかもそれぞれそれは本当なのだと思います。単に来店されてる曜日と時間帯の問題であることが多いのです。中には「このお店いっつも閉まっているけど今日は開いてた」という方もいまして、聞けばその方はいつも午前中(当店の開店は正午)しか通らないとのことでした(笑)。
窮屈な感じで着席してなおかつオーダーが出てくるまでにかなりの長時間お待ちいただく状態になることが多いのが土日祝日で、かといってこちらはコーヒーの作り置きなどするわけもなく、オーダーごとにその都度豆の重さを計り、抽出時間を守り、一杯ずつ淹れることに変わりありませんので、今月も土日と文化の日、そして勤労感謝の日はなるべくなら「文明回避」をおすすめします。
赤澤珈琲研究所 代表 赤澤 智
『50パウンズ・エリート・コーヒー・プロジェクト』について
2016年よりコスタリカのエクスクルーシブコーヒーで始まったプロジェクトで、当店取扱の丸山珈琲が日本での独占販売権を獲得しました。
スペシャルティコーヒーに特化した生豆の輸出業者であるエクスクルーシブコーヒーの3名のカッパー(品質管理者)が88点以上のスコアを付け、且つ完全にトレーサビリティ(生産履歴)が分かるもののみが、50パウンズ・エリート・コーヒーとして認められます。
通常のコーヒーの取引の単位が1俵(約60~70kg)とされているコーヒー業界の中で、品質のために50パウンズ(約22.6kg)という少量で管理・取引され、且つ真空パッケージで慎重に取り扱われます。
最高品質の品種から様々な生産処理方法を試行錯誤し、コスタリカ産コーヒーで表現できるフレーバープロファイルの幅を広げ、明確でユニークなフレーバーを追求し、
いつ、どこの区画の、どの品種を、どのように生産処理、乾燥させたのか、最大限のトレーサビリティを実現させ、生産履歴を管理することで継続的な栽培、生産方法の改善、品質の追求をしています。
この度、当店ではグランクリュ(特級農園コーヒー)としてこのプロジェクトの中から選ばれた「コスタリカ・ドン・マーヨ」を販売します。
「コスタリカ・ドン・マーヨ」はカップオブエクセレンスでも上位入賞が何度もあり、2009年にはなんと優勝も果たした非常に安定した素晴らしいコーヒーを作るマイクロミルといえます。
チェリーやマスカットのようなジューシーさとシルクのような舌触りをぜひご賞味ください。