toggle
2016-02-05

文明通信2016年2月号

文明通信2016年2月号表
文明通信2016年2月号裏

「【おじゃ丸】の由来について」

古くからの私の知人友人にとっては本名よりも有名で、とりわけ音楽関連のつながりの人たちにとってはむしろ私の本名を知らない人も多いほど、私にはとても強固なニックネームがあります。それは「おじゃ丸」です。ツイッターのアカウント名もojamarucoffeeと言いますし、第四金曜弾き語りの時も「おじゃ丸」と名乗っておりますし、
さすがに9年近くこのお店をやってきているとお客さんの中でも「マスターは通称【おじゃ丸】っていうんだ」くらいの認識がある人も既に相当数いらっしゃるかと思います。
あまり、いえ、全く重要なことではないのですが(笑)、今回はこのニックネームの由来について述べておきたいと思います。
さかのぼることちょうど30年前の1986年、私が大学に入学した時のことです。
軽音楽部に入り、そこの先輩、の友人、はい、ここがポイントなのですが、先輩ではなく、「先輩の友人」なので私は今の未だにその人に会ったことも見たこともありません。
その「友人さん」が天然パーマだったらしく、ご自身の髪の毛に対して「チリ毛おじゃまる~」と言うのがその人の「口グセ」だったそうです。
そして入学してきたやはり天然パーマの私を見たその先輩は友人の口癖に登場する「おじゃまる」という部分だけを取って、私のことを「おじゃまる」と呼ぶようになりました。チリチリした髪の毛が自分にとって「お邪魔」であるということは十分想像も出来ますし、理解も出来ます。しかし「る」とはなんぞや?とか、なぜその当の本人のニックネームにせずに新入生だった私のあだ名にしたのか?今ここまでのことを読んで理解出来ましたでしょうか?まったくピンときませんよね?はい、私自身全然ピンとこないままこの名前を30年背負ってきています(笑)。アニメの「おじゃる丸」が出てくるよりもずっと前から私はこの名前で生きてきたのでもはややめるわけにもいかず、またこの名前をやめると多大なる弊害も生まれることも予想されます。よく、テレビで「どうしても会いたい人に会いにいくスペシャル」というような番組がありますが、私は出来ることならこの「チリ毛おじゃまる~」と言ってたその人に会っていろいろ問いただしたい気分なのと、その人だってまさか自分の口癖から生まれたのが他人のニックネームとなり、それが今年で30周年だとは夢にも思っていないことでしょう(笑)。以上、本紙始まって以来最も重要度の低い、どうでもいい話を、しかしいつかどこかで述べておきたいと思っていたことを一年の中で最も日数の少ないこの2月号の中で触れておくことにしました。

珈琲文明マスター おじゃ丸

~おじゃ丸の「他店おじゃまします」~【jazztime disk 】

おじゃ丸(30年以上続く私のあだ名です)が日頃愛してやまないお店や店主を勝手に紹介するコーナー。
【jazztime disk 】
これまでにこのコーナーではタイトル通りそのお店に私自身が当然「お邪魔」したことがあるお店ばかり紹介してきましたが今回ご紹介したお店は実はまだ行ったこともありません(え!?)。そして場所はなんと青森にあります・・・。
昨年末、当店に御年配の紳士が来店されました。当店がその方と御友人との待ち合わせ場所となっていたそうです。その方のご友人(神奈川在住)は当店に何度かいらしたことがあった方なのですが、ご友人の到着が遅れて、しばらくの間その人が一人カウンターでコーヒーをお飲みになっていました。その間私との会話は特にありませんでした。
ご友人が到着し当店を出られる際にほんの二言三言会話を交わしました。
その方は現在青森でジャズ喫茶をされているということや、当店のことを「最近こういうお店が無くなってきたから貴重です」とおっしゃってくださいました。
店内BGMがチェロであることもお気に召していただけたようで、一緒にいたご友人に「ヨーヨーマのCDを今度そっちに送るからいつかこちらの店に差し上げてよ」とおっしゃったことは確かに覚えていましたが、その時私は正直なところ内心、これぞ社交辞令、と思いながらもお礼を言い、その日を終えました。
そしてそのことをすっかり忘れた頃の数日後、ヨーヨーマのCDを携えたご友人が再び来店されました。あの時の、ごく軽い感じで交わされた言葉は結実したのです。その時の驚きと感謝をそっくりそのまま記したこちらからの礼状の返信として年賀状まで頂戴してしまいました。その年賀状には「新聞記者から30代でレコード店、40代でジャズ喫茶と音楽一筋、青森で一人でこなしてきました。店内を一生懸命動いている赤澤さんと音楽が空間にまさにぴったりでした」と記されていました。
ほんの数行の文の中にこの人の壮大な人生を既に垣間見たような気がしました。
しかし、「音楽一筋にして人生の先輩かつ喫茶店主」という自分との関連性の深さはここでは少し度外視します。それより何より、「ひとたび口にした言葉に偽りがなく、行動が伴っている人」というこのただ一点のみで十分その人が営むお店がどうのようなものかはわかります。
まだ訪れたこともない青森にあるこのjazztime diskを私は強くお薦めします。
青森に縁のある人やご旅行の予定がある方はぜひお立ち寄りください。

jazztime disk 青森市新町2-7-33 Tel 017-776-7244 

関連記事