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2015-03-05

文明通信2015年3月号

文明通信2015年3月号表
文明通信2015年3月号裏

「シングルオリジン、その先にあるのは地球の平和!?」

「シングルオリジン」という名称がようやく巷でも流行ってきました。その名から「ブレンドしていない単一銘柄のもの」というのは想像出来るかと思いますが、それではこれまで言われてきた「ストレートコーヒー」と何が違うのかといいますと、ストレートコーヒーは、国や地域の名前だけついているものとも言え、ブラジル、コロンビア、ケニア、グアテマラ・・・全部国ですよね。とてつもなく大雑把なのでもう少しだけ狭めて、ブルーマウンテン(ジャマイカ)、キリマンジャロ(タンザニア)、エメラルドマウンテン(コロンビア)・・・全部山ですが、かなり狭まりました。ブラジル・サントス・・・「サントス」は港の名前でここで取引されていたという理由だけで、中身はあの広大なブラジルの様々な豆が入り乱れて入っています。モカ・・・これもかつての港の名前なのですが、アフリカに面したエチオピアとアラビア半島に面したイエメンの両方が双方に「モカ」と言い張ってまして(笑)ある意味究極の大雑把かもしれません。結局その国、その地域でとれた豆であれば玉石混交パッケージされ、おっと少し言い過ぎました、でも少なくとも「風味の統一感」はないはずです。無理もありません、ブラジルと言っても、たとえば日本の四国と同じくらいの面積を持つ農園だってあるわけでして、そのような広大な農園であれば農園内だけでも風味特性が変わってくるはずで、ましてや「ブラジル」でくくらた日にはもう何をもってブラジルコーヒーとするかみたいな話になってきます。そこで、産地を国単位で捉えるのではなく、農園など、小規模単位で捉え、栽培品種・生産処理方法にこだわり生産者の顔が見えるコーヒーをこれまでのストレートコーヒーと区別して「シングルオリジン」と呼ぶようになりました。当店のメニューには便宜上まだ「ストレートコーヒー」と記しておりますが、その実態は創業当初から完全に「シングルオリジン」であります。この「シングルオリジン」というフレーズがもう少しメジャーになり市民権を得たらすぐにメニュー表記も変えます。そもそもスペシャルティコーヒーというのはシングルオリジンが大原則大前提です。当店のブレンドにしても100%シングルオリジン同士のブレンドになります。ちなみに「今シーズンの文明ブレンド」(当店のブレンドは時節ごとに変動します)の配合銘柄は・・・※括弧内は農園または区域の名前ですグアテマラ(モンテデオロ) ホンジュラス(カングアル) ホンジュラス(カングアル)ボリビア(アグリカブ) のブレンドになっています。ちょっと!ホンジュラス重複してるよ、誤植でしょ?と思われたかもしれませんが、誤植ではありません。カングアル村のホンジュラスの同一豆を二種類の焙煎方法(深煎りと中深入り)でブレンドしているという、いわば「同一シングルオリジン同士のブレンド」という手法をとっており、こういった製法も近年実は注目されています。ところでこのホンジュラスにある「カングアル」という村は、国連が「世界最貧区域の一つ」として指定した場所でもあります。それでいて最高に美味しいコーヒーがとれるところでもあります。スペシャルティコーヒー界の考えの中には「シングルオリジン」や「トレーサビリティ(流通経路が追跡可能という考え)」の他に「サスティナビリティ」という考えがあります。これは簡単に言うと「持続可能」ということですが、現地で働く農民の方々を奴隷のようにこき使い商品を買い叩くのではなく、高水準の作物を継続して栽培出来るように現地の方々の労働環境及びそのご家族の生活環境を整えることも大切で、商品も買い叩くのではなくオークション方式で落札するということにより高品質な豆栽培が持続性を持ち、公平公正な取引をすることによって、果ては地球の平和までつながるという発想、この流れ、私は大好きです。

赤澤珈琲研究所代表 赤澤 智

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